バレエダンサーにはなぜピラティスが必要なのか
バレエを美しく踊るうえで欠かせない要素のひとつに 股関節の外旋(ターンアウト) があります。
これは日常生活の範囲を超えた大きな可動域を必要とする動きであり、特に日本人は歴史的に「しゃがむ・正座する」などの文化背景から、股関節外旋が苦手な人が多いと言われています。
そのため、股関節のインナーマッスル(股関節外旋六筋)をしっかり働かせて、正しくターンアウトを行うこと がとても大切です。

外旋が正しくできないとどうなるのか?
小さいころから正しい外旋を身につけないまま練習を続けると、
- 大腿骨の内旋
- 下腿の外旋
- 足部の回内(いわゆる土踏まずがつぶれるような状態)
といった “ねじれ” が体に起こってしまいます。

その結果、反り腰・外反母趾・膝や腰のトラブル にもつながり、バレエだけでなく日常生活にも悪影響を及ぼすことがあります。
才能があっても、体がついてこない現実
せっかく素晴らしい才能があってバレエが上手でも、海外留学やプロを目指す段階で 体の使い方が正しくできていないと、ケガを繰り返してしまい、バレエ人生が短くなってしまう ケースも少なくありません。
とても残念なことですが、実際にそのようなダンサーは多くいます。
ジュニアのうちから「体を理解する」ことが大切
だからこそ、ジュニアのうちから骨格の仕組みを理解し、自分の体に合った動かし方を学ぶことが大切です。
ピラティスはそのための最適なトレーニング方法です。
- 股関節外旋筋を正しく働かせる
- 背骨や骨盤のアライメントを整える
- ケガを予防しながら、長く踊れる体をつくる
こうした効果によって、海外でも長く挑戦できる、しなやかで強いバレエダンサーへと成長することができます。
当スタジオでトレーニングする内容


当スタジオにお越し下さった、中学3年生でプロを目指す方です。
左:Beforeでは、腰の反りが大きく、巻肩を併発して首が詰まった姿勢でした。足の捻じれから矯正して、体幹強化のトレーニングも併せて重心が取れる姿勢となりました。
バレエのコンクールやオーディションでは首回りの綺麗なラインのほんの少しの差が結果に明暗を分けたりするので見た目的な変化もとても大切です。

コアハウスの強化
姿勢を正しく作るという意味では、どんな方でも同じなのですが、左の図のように主に5つの筋肉で作られるコアハウス(体幹の安定を作るためのインナーマッスルの箱)を強化します。
コアハウスが正しく働く事で、伸びのあるしなやかな体の動きを作り出すことができるのです。

マスターストレッチを使ったトレーニング
・足裏と足首の強化
バレエに欠かせないルルベやジャンプの安定性を高め、外反母趾や足部のトラブル予防にもつながります。
・股関節の可動域アップとターンアウトのサポート
マスターストレッチの動きは、股関節外旋筋を働かせながら脚をコントロールする練習になるため、無理のないターンアウト習得に効果的です。
・体幹と姿勢の安定
不安定な土台の上で動くことで、自然に体幹が働き、バランス感覚や正しい姿勢保持が養われます。
・柔軟性としなやかさの向上
足首から背骨まで全身を連動させる動きが多く、踊りに必要な「流れるような動き」や「しなやかなライン」を作ります。

